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視力がすべてではありません

メガネがなくても1.0やそれ以上の視力表が読める人は、一般に「眼がいい」と言われます。

しかし、学校や会社の検診で一般に言われる「視力1.0」というのは「遠見視力」、つまり何メートルも先のものを見る視力のことであって、「近見視力」、つまり眼前30cmのものを見る視力については触れられることが少ないです。

仮に、遠見視力が1.0でも・・・
・「遠視」の場合があります。
・「両眼のチームワーク」に問題があれば、眼精疲労が起きたり、物が2つに見えることもあります。
・「眼のピント合わせの機能」に不具合があれば、疲れたときに遠くや手元が見にくくなってしまいます。(近見視力が低下します)
・「眼球運動」(眼をいろいろな方向へ、滑らかにすばやく動かす能力)に不具合があれば、読書中にどこを読んでいるかわからなくなってしまったり、読解力が低下することもあります。

このように、いくら遠見視力がよくても、問題の生じることがあるのです。

右図を見てください。

「Aの図形を見ながら、同じように書き写しなさい」という指示に対して、健康で視力的に問題のない七歳八ヶ月の子供が描いたのがB、八歳の子供が描いたのがCです。

これは「眼で見たものを脳が正しく認識し、その通りの情報を正しく手に伝える」という一連の作業に不具合があることを意味しています。「視覚認知」と「眼と手のチームワーク」がうまくいっていないケースです。


こういった場合、当然学校での勉強にも影響が出てきます。
問題は「眼」にあるのに、「この子は勉強ができない」「やる気がない」と一方的に決め付けられてしまうことが多いのが現状です。
いわゆる「学習障害(Learning Disability)」の子供さんには、このような「視覚認知」に不具合のあケースが多く見られます。
「視力がよい」というだけでは、不十分なことが、このことからもわかります。

私たちは、「よい眼」の基準を視力(特に遠見視力)のみに求めがちです。
しかし実際は、「眼病がなく」「視力が良好で」「正しく両眼をコントロールすることができ」「脳が眼から送られてきた情報を正しく認識し」「体がその情報に対して正しく反応する」というのが、「理想的な眼」であることの大前提ではないかと考えます。



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